遮光器土偶 本物に似て非なるもの完成!? 市販模造品と2ショット!

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6月18日と19日、1泊2日で恵比寿田遺跡の重要文化財(上野博物館所蔵)の土器を制作した。先の土器制作・大崎WSに続き2作目での無謀な挑戦であった。写真右の黒いものは型制作による模倣品24cmの品である。一方、今回制作した私のものは48cm(野焼きをすれば43cm?)である。本物の大きさは36cmである。そして、本物の足は非常に小さく、直立した状態では立たせられないないものである。その為、模倣品は非常に足を太くする必要がある。

無謀な挑戦とはこんな不安があった。先ずは基本的なひもと呼ばれるものが土器と違ってずいぶん細いものを作り、それを重ね上げていくのであるが、そのものと、作るものの肉厚(8mm程度を意識)と出来上がる大きさのイメージ(24~40cm)が技能として完全に不足しているからであった。又、制作はこの型制作による模倣品と本物の写真7枚程度を参考にしながら作ることにした。(これが後々混乱を招くことになった)

今回、最初から2日間での制作は無理だと思っていたが、その通りの結果となった。又、大きな課題は2つあった。先ず、3分割にしてパーツを作り、それを、合体接着できるかどうか。これは、外側からは接着させることができるのであるが、中空の内側は接着できるのかどうかであった。次に各パーツの形状がそもそもチャンとできるのか?であった。

兎に角、制作を開始した。先ずは、①足の部分から腰上のくびれた部分までを作った。この大きさだと本物の大きさ程度になってしまうとの予感?②次に、腰のくびれた部分から首迄の部分を作った。ここで、一番難しかったのが、肩から首までを黒の模倣品のように直線的に張った感じにしたかったのであるが、丸みをおびてしまった。しかも、首が太くなり、残された頭部が益々大きくなることが懸念されるに至った。③ご覧の通り、巨大な頭部が出来上がってしまったのであった。

パーツの細部にこだわっている余裕もなく、最大の難関である3っつの合体である。①&②腰ののくびれた部分の外側の接着は上下の粘土を隙間の無いように上と下を境目なく仕上げた。後は内側の接着である。両足の中空と首の穴から、それぞれ、耳かきの大きな竹串のようなもので上下の粘土を隙間の無いように上と下を境目なく仕上げた。ここまでが初日でできたこと。

2日目、①②合体品&③いよいよ、頭の部分の接着である。頭の上の部分は足の裏と同様に2か所に隙間を設けており、耳かきの大きな竹串のようなもので上下の粘土を隙間の無いように上と下を境目なく仕上げた。しかし、中はあまりよく見えず、竹串先端に思いを込めただけであったかも?しかし、一応の合体成功の瞬間である。

そして、頭部の髪の部分、耳の部分、鼻の部分を取り付けた直後でホッとした時、なんかの拍子で頭部が落下してしまうハプニングが起こってしまった。やべー、やっちまったよ~。とがっかり。気を取り直し、補修、補修をし、ちょっと考え、2つの対策を取った。一つ目は首の周りをひもを足し太くして強度アップ。2つ目は左右には揺れないが前後では後方に重心がかかり倒れやすいので足裏後方に肉を盛り、バランスを調整した。

この失敗のもう一つの背景としては、模倣品と本物を制作途中でいいところ、どりをしているうちに、今自分がどちらを参考にしているかの意識がなくなり、アンバランスを招いたことが、後に大きな反省となった。

後は、楽しい飾りつけをおこなった。あまりにも大きくなったため、飾りつけのひもは派手派手にしようと思いひももふと目をつくった、それゆえ、点、点もよく協調されているでしょう!しかし、ここで力尽き夕方直前で作業を終えることにした。飾りつけのひもはほぼ終わりで、彫込みが殆ど残っており、磨きと彫で、もし仕上げるとしたら後、2日間くらいはかかりそうである。そうそう、頭でっかちで倒れ防止策として、足の上(腰?)の部分の飾りのひもを分厚いものにし、重心を少しでも下にしたところ、かなりの安定感が出てきた。

いずれにしろ、夢であった遮光器土偶の制作体験をすることができ、関係者へ感謝、感謝あるのみ。